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離職の問題と今後発展する美容室経営

離職の問題と今後発展する美容室経営美容室の経営

2023年1月の時点で、美容室は26万軒あると発表されました。

信号機よりもコンビニよりも多い美容室ですが、その廃業軒数は意外と少なく、8,455軒だそうです。
美容師の数は役56万人とのことなので、1サロン辺りの美容師は平均約2人という計算でしょうか?

新規美容室登録数は約15,000軒ということなので、まだまだ美容室の軒数は増加傾向にあるようです。

これだけ多い美容室ですが、独立をする美容師は後をたちません。
私は20年以上美容業界に携わっていますが、昔も今も変わらず美容師は独立しなければという風潮が強いように感じています。

近年では異業種からの参入もあり、事業規模が大きい美容室企業も増えて来ていますが、まだまだ個人もしくは中小規模の美容室が多い状況です。

美容業界は、以前からサロン軒数と求職者(新卒中途含め)の立場が逆転し、一部の有名サロン以外はスタッフを取り合っている状態が続いています。

人口減少もあり、ここ数年をピークに業界自体が縮小していくことも予想できます。

その状況で何ができるのか?
何を考えなければいけないのか?
何を辞めるのか?

今の美容業界、今のサロンでできること、やらなければいけないことを真剣に考えなければ、これから先数年、数十年と事業を継続し発展させることは難しいのかもしれません。

必ずと行っていいほど抱えている問題の1つに、離職というものがあります。
一定数の離職は仕方がないものかもしれませんが、もしも今まで1人も辞めていなかったら、今の事業はどう展開できていたでしょう?

何が原因でスタッフは辞めていったのか?
今あるサロンで何が美容室でできるのか?

 

美容室の教育問題

離職の問題と今後発展する美容室経営 | 美容室の教育問題新しい技術があれば、それをカリキュラムに組み込み、教えていくというアップデートくらいでしょうか?

デビューまでの時間やその練習方法、練習時間帯は、サロンでアップデートできているでしょうか?
朝練や夜練が当たり前という時代は終わりに近づいています。

そういった考え方は、以前は当たり前でしたよね。
終電まで練習して、朝は早く出社し練習してから営業を迎える。
それを耐えてきた方達が今の経営者でもあると思います。

ネットやSNSが未発展だった時代は通用したかもしれませんが、今はいくらでも調べることができます。
ブラックであれば、親御さんまで出てきてしまう時代に、そこだけ昔の考え方でいいのでしょうかと疑問を持ってしまいます。

スタッフのやる気やモチベーションは、教育する上でもちろん必要不可欠な要素ではありますが、そこに頼り切ってしまう教育というのは今後難しくなっていくのかもしれません。

 

スタイリストデビューまでの道のり

離職の問題と今後発展する美容室経営 | スタイリストデビューまでの道のり新卒入社のスタッフが、デビューまでどれくらいかかりますか?

平均すると2〜3年でしょうか?
最近では1年でデビューといったサロンも多く見られるようになってきました。

ではここで質問です。
デビューまでの総練習時間は何時間ですか?
シャンプー入客するまでの練習時間は何時間でしょうか?

直接お聞きした経営者のなかでも、時間を把握されている方は、正直なところそんなに多くいませんでした。

時間を決めずに期間を定めるという教育設計は、いうなれば本人のやる気に頼る教育です。
本人が練習しなければデビューまでは時間がかかり、良く練習する子は早くデビューできる。

練習しないからデビューできないんだよという考え方で、離職を積極的に防ぐことはできるでしょうか?
スタッフ目線で考えると、他に美容室は山程あるんですよね。

スタッフのモチベーションに関わらず、カリキュラムをクリアできればスタイリストになれる。
今の教育、今のカリキュラムでアシスタントが辞めていってしまう、思うように成長していかないと悩みを抱えているのであれば、そういった仕組みを作っていかなければいけないと感じています。

 

美容室のアシスタント教育を塾から学校へ

【離職の問題と今後発展する美容室経営 | 美容室のアシスタント教育を塾から学校へ昔からある美容室の教育システムは、いうなれば塾のようなものだと思っています。

営業が本業で、練習は塾というような考え方。
美容師がなりたい職業NO.1だった時代はそれで通用したかもしれません。

やる気のある人は生き残っていくやり方。
今も素敵な業種でかっこいい、稼げる業種でもありますが、美容学校の生徒数、求人難の今を考えると少し傲慢な考え方なのかもしれません。

やる気になるまでしっかりと育てていくやり方。
美容室の教育を塾から学校へ、練習を本業の一部として考えてみてはいかがでしょう?
スタッフのモチベーション、スタッフの技量に左右されること無く、みんながある時期になればスタイリストになれる。

その過程の中でスタッフのモチベーションを上げる事ができれば、サロンから離れていってしまう状況を改善
しっかりとした教育が必要な業種であるのであれば、しっかりとした教育プログラムを組む必要があるはずです。

 

アシスタントはなぜ辞めるのか?

離職の問題と今後発展する美容室経営 | アシスタントはなぜ辞めるのか?入社したアシスタントが辞めてしまった。
辞めてしまったアシスタントは、なぜ辞めてしまったのか?

10人20人と入社して、1人2人の離職は仕方がないかもしれませんね。
でもそれ以上に辞めてしまっているとすれば、何か原因があると思いませんか?

先にも書いた通り、残業早出は当たり前でプライベートの時間が削られていく。
社会人になったばかりにも関わらず、仕事漬けの毎日になってしまい疲れていってしまう。
その中で、やる気が高い意識の高いスタッフだけが生き残ってスタイリストになっていく。

これって当たり前なのでしょうか?
一般的な企業は、少なくとも勤務時間は守られ、休みも取りやすいかもしれません。

他業種のように整えていく事も重要ですが、美容室ならではの楽しみや従業員の守り方が有るはずです。

 

スタイリストの働き方

離職の問題と今後発展する美容室経営 | スタイリストの働き方新卒からアシスタントを経て、無事スタイリストに。

近年、スタイリストの離職も増加しているように感じています。
昔はスタイリストの働き方といえば雇用が当たり前で、一部フリーランス美容師がいたくらいでしょうか。

雇用の中でも社会保険に加入しているかしていないかという差はあったにせよ、それが直接離職に繋がっていたかというと、そうではなかったように感じます。
以前は他社に移転するというよりも、独立という道を選ぶ事が主流だったかもしれませんね。

しかし現在は、その働き方も多様化してきています。
社会保険の加入、未加入はもちろん、業務委託やフリーランスという働き方が当たり前になっています。最近ではシェアサロンという業態も確立され、よりスタイリスト自信が望む働き方を選択できるようになっています。

自分のサロンを持つことのない独立という形は、経営者からするとリスクも多く、長くは続かないと思っていたり、委託という希薄な関係性を望まない経営者も多いのではないでしょうか?

しかし、一過性と思われていた業務委託の勢いは益々加速していき、雇用系サロンからスタイリストの流出を止めることができていない事実があります。

せっかく育てたスタッフが、技術を覚えて卒業していってしまう・・・
その現状に目を背けてしまっては、いつまで経っても解決はできないし、そのうち教育していくことすら辞めていく事になってしまうかもしれません。

 

自社で働き方を多様化する

離職の問題と今後発展する美容室経営 | 自社で働き方を多様化する空いているスペースを活用するような導入ではなく、今いるスタッフに継続して働いてもらうために、働き方が多様化しているのであれば、積極的に取り入れてみたらいかがでしょう。

もちろん簡単ではありませんし、問題も多々起こってくるでしょう。
しかし、離職してしまう可能性を潰せるとしたら?

サロンは好きですし、みんなも好きですが、、、という離職者はいませんか?
その離職者は今、どこで働いているのでしょう?

実家に帰ろうかと思ってと離職したスタッフが、近くの委託サロンで働いているという話も多々耳にしますし、辞めていった理由は本心ではない可能性もあります。
そういった嫌ではないけどもっとこうしたい。
という離職は、仕組み次第では未然に防げると思っています。

雇用・委託・フリーランスという働き方、細分化した考え方ではなく、美容師スタイリストという括りで考えたときに、その働き方はもっと自由で、もっと希望を叶えることができる可能性を、まだまだ秘めていると考えています。

他社に動いてしまうのであれば、その理由を追求し、自社で取り入れていく動き。
実際に動き出しているサロンは、スタイリストの離職率を軽減することに成果を上げています。

 

スタイリストはなぜ辞めるのか?

離職の問題と今後発展する美容室経営営 | スタイリストはなぜ辞めるのか?アシスタントの離職とスタイリストの離職。
同じ離職ですが、その理由は同じなのでしょうか?

美容師は自分のサロンを持ち、経営者になって1人前という風潮がまだまだあります。
手に職という業界なので、独立しやすい業界でもあるので、そういった意味では夢のある業種です。
独立が決して悪いことでもなく、それが選択できるというのはむしろプラスに考えられるでしょう。

異業種と比べると比較的簡単に独立できてしまうという面もありますが、離職となってくると考え方が変わってきます。
これだけ美容室軒数が多く、どこも求人活動をしている状況ですので、転職や移転に困ることがないのが1つです。

更に条件という面でも比較ができて、フリーランスや委託という選択肢も増えている状態なので、以前に比べよりスタイリスト個人が動きやすくなってきている事実があります。
厳しい見方をすれば、今いる環境と比較したときに他に移るという方が、自身の希望を叶えられそうと思ってしまうという事。

未来を想像させることができるのか?
稼ぐ、休むといった労働環境を整備していくことができるのか?
ういった課題を解決しなければ、育てたら他に流れていってしまうという悪循環を改善することができないでしょう。

以前のような独立という退職だけでなく、そうなる以前の離職対策をしておかなければ、今後スタイリストの離職が加速してしまうかもしれません。

 

幹部美容師の働き方

離職の問題と今後発展する美容室経営 | 幹部美容師の働き方幹部になった美容師スタイリストは、プレイヤーとしての個人売上はもちろん、経営という分野に足を踏み入れている状態です。

店長やマネージャーという役職につくということは、
美容室においての経営者を除いた中で勤務年数や関係性が築けているスタッフですので、幹部の離職というのはサロンにおいて最もダメージの大きい出来事かもしれません。

自身の売上だけでなく、店舗売上に対する歩合も給与に反映されるサロンもあったり、所得も相応に増加していきますが、このままサロン幹部として残るか、独立して経営者になるのか迷う時期でもあるでしょう。

サロンとしては、どうやってサロンに残ってもらうか、経営者側に立ってもらい、運営に協力してもらうかを考え、幹部のその先をイメージできるような仕組みを考えなければいけませんよね。

 

店長、マネージャーのその先は?

離職の問題と今後発展する美容室経営 | 店長、マネージャーのその先は?一般的な企業に比べると、若くして幹部になれるというメリットはありますが、逆を考えると早い段階で責任ある立場に行き着いてしまうという事でもあります。

店長になったその先は?
マネージャーになったその先は?

安定ももちろんですが、成長できる環境を考えて整えておかなければ、将来の不安や不満に繋がってしまうでしょう。

役員に招き入れて雇用される側から雇用する側になってもらうのも1つの手段ですし、美容師という現場の立ち位置から、経営側になってもらい、徐々に現場を離れて行けるような仕組みも必要でしょう。

近年では、会社に残ってもらうという方法以外にグループ(FC)という形で、完全に関係性が途切れてしまわないように、経営者と従業員という関係から経営者と経営者という関係にシフトして、グループとして関係性を継続するという方法も増えてきています。

以前に流行ったようなFCではなく、長期的に考え双方にメリットがある形でのFCは、近年の業界事情にも上手くマッチしているようにも思います。

アシスタント、スタイリストの段階ではもちろん成長をイメージできることも重要ですが、いかに離職を防ぐかという対策を講じていかなければいけませんが、幹部まで残ってくれたスタッフに対しては、離職を防ぐというより、いかに選択肢を与え協力していける関係性を築いていくかがポイントになってくるかもしれません。

 

美容室幹部はなぜ辞めるのか?

離職の問題と今後発展する美容室経営 | 美容室幹部はなぜ辞めるのか?長い間サロンに貢献してくれていたスタッフの離職は、サロンのダメージも大きいですが、離職するスタッフも迷った末の選択になってくるでしょう。

自分のサロンを持ちたいという夢を叶えるような退職は一定数あると思いますが、それもサロンに残る事と比較して、ある意味仕方なく独立というケースもあります。
幹部レベルになると、おそらく年齢も30代〜40代くらいでしょうか?
将来を真剣に考える時期でもあります。

また近年ではオンラインセミナーなど、他店の美容師や経営者との交流が増えていて、情報収集が容易になってきています。
今の待遇やサロン状況がどうかという不安を、外部からの情報で確認し、離職に至ってしまうという流れも少なくないでしょう。

5年後10年後、このサロンにいて自分がどうなっているのか?
どう成長できるのか?
という不安をいかに解消できるかが、離職防止を促進していくはずです。

美容師を続けていくか、異業種に転職するかを迷う方も出てくるでしょう。
そうならないように美容室として、企業としてしっかりとしたキャリアプランニングを確立する必要があるでしょう。

 

新卒から幹部まで、その先までのキャリアプラン作成

離職の問題と今後発展する美容室経営 | 新卒から幹部まで、その先までのキャリアプラン作成新卒には新卒の、スタイリストにはスタイリストの離職原因があるわけですが、それをどう解消していくのか?

どのサロンでもスタッフには長く働いて欲しいと思っているでしょうし、幹部の離職を防いでいきたいと思っているのではないでしょうか?
理想論ではありますが、スタッフが辞めないサロン作りができれば、自然と店舗展開や事業拡大といった経営者が本来やりたいことが現実的になってくるはずですよね。

そうなれば余計な求人費用の削減もできますし、そこに費やしてきた時間も労力も他に使うことだってできるはずです。
しかし実際にそんなことは可能なのでしょうか?

簡単ではないですが、美容室のキャリアプランを作成し離職率を低下させることは可能です。
オーナーが5年後10年後の事業をイメージし、それを実行していくにはどんなマイナス要因があるのか。
今現在抱えている問題を洗い出し、どうやって解決していくのか?

新卒が辞めてしまうのであれば新卒に向けたプランを、スタイリストが離職してしまうのであればスタイリストに向けたプランを作成していく。
それぞれが辞めていく原因を追求し、解決していくことができれば、思い描く企業成長に近づく事ができるでしょう。

実際にキャリアプランを作成しているサロンでは、離職という問題がなくなるわけではないですが、離職率を大幅に下げる事ができているという実績があります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

新卒入社し、学生と社会人のギャップに苦しむようなことがなく、誰でもスタイリストに成長できる仕組み。
スタイリストになり、社会保険などの保障重視の働き方か、稼げる働き方もしくはプライベートを充実できる働き方か選択できるような仕組み。
幹部になり、そのままサロンに貢献できる働き方か、自分も経営者になりグループとして成長できる仕組み。

考えなければいけないこと、弊害も多くあるはずです。
しかし、そこに手を付けていかなければ、事業展開も遅くなりますし、描いていたサロンの将来から大きくずれていってしまうかもしれません。

業界の当たり前になっている事に疑問を持ち改善していく。
ご興味があれば、ぜひお問い合わせください。

 

こちらの記事では、求職者の辞退を減らすため企業が行っている事をまとめました。
是非参考になさってください。

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面接辞退は美容業界に限らず、採用活動を行っている企業側が抱えている課題になっています。 応募者との信頼関係を築き、辞退を減らしていくために企業が行っているポイントを紹介していきます。

 

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