美容室経営者の方々の多くは、人材の問題を抱えていますよね。
その問題を大きく分類すると
- 求職者が集まらない
- 育てたスタッフが転職していってしまう
この2つに分けられるのではないでしょうか?
「募集をかけているが、なかなか応募が来ない。」というお声をよく聞きます。
ここ数年は「入社されたスタッフさんが続かない・・・。」というお声もよく聞きます。
せっかくアシスタントから育てたスタイリストが、業務委託サロンに流れてしまったなんて声も多く上がってきていますので、業務委託サロンを苦手に思っているオーナーも多いかもしれません。
そこで今回は、美容室経営における求人と離職のお話しをさせて頂きます。
まずは基本の部分、正社員・契約社員・パートなどの『雇用の仕方』そして、美容室さんにおける『雇用をするタイミング』について紹介させて頂きます!
美容室における雇用をするタイミング
雇用をすると言うことは、求人募集をかけなくてはいけません。
また、募集を行う理由は美容室さんによって様々ですが、多くの理由が下記の様です。
- 出店が決まったから。
- 先々出店をしたいので、徐々に増員していきたいから。
- お客様が増え、今のスタッフの人数ではお客様をお断りしてしまっているから。
- スタッフさんの退職が決まったから。
こう言った理由で、美容室は求人をかけ、採用の準備をするわけですよね。
『では、いつ求人をすれば良いの?』
と言う点は、美容業界の今を考えると、欲しいタイミングでピンポイントで人材が見つかる可能性はかなり少ないです。
上記のような理由に当てはまるのであれば、今現在は必要性が少ない状態でもすぐに求人を行うべきだと思います。
新規オープンで1名だけの募集であっても
『この時期に欲しい!』と思われる遅くても3ヶ月前には遅くても求人をスタートして頂きたいと思っています。
数年前と比較すると求人の難しさは、皆さんが思っている以上に厳しいと感じています。
オーナーの皆さんも実感されていることでもあると思っていますが、人さえいればという理美容室を多く見てきています。
現状はより厳しいと思って頂いたほうがいいかもしれません。
年々、美容室さんの求人が難しくなってきています。
美容室さんが採用したいと思うタイミングでは、なかなか採用できていないケースが殆どですので、早めに動かれることをオススメします!
美容室における雇用の仕方
美容師さんの募集を行い、いざ雇用をする際の『雇用の方法』についてです。
正社員・契約社員・準社員(パー ト・アルバイト)の3つに分類されます。
勘違いされている方もいらっしゃるので念の為に記載しておきますが、業務委託やフリーランス契約は雇用ではないので、働き方の1つと認識していただければと思います。
≪正社員≫
正社員(せいしゃいん)は、一般的には正規雇用で企業に雇われた労働者の事。
参照:正社員-wikipedia
正規社員(せいきしゃいん)ともいわれます。
正規雇用(せいきこよう)は、特定の企業や官公庁(使用者)と雇用者との継続的な雇用関係において、雇用者が使用者の元でフルタイム(常勤)で従業して永久的(定年制なし)または定年まで雇用期間を定めない雇用形態を指す。
参照:正規雇用-wikipedia
【契約社員】
契約社員(けいやくしゃいん)とは企業などと有期の期間での雇用契約(非正規雇用)を結んで職務に従事する常勤労働者のことを言う。期間契約社員、期間社員、有期間社員、期間従業員、臨時社員、準社員などともいう。
参照:契約社員-wikipedia
※契約社員の契約期間は最長で3年間。(高度な専門的知識を持つスペシャリストと60歳以上の場合の契約期間は最長5年間までのようです。
【準社員(パート/アルバイト)】
パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の対象である「短時間労働者(パートタイム労働者)」は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。
参照:パートタイマー労働者とは-厚生労働省
※パートもアルバイトも企業や美容室が区別しやすいように分類したもので、どちらもパートタイム労働者のことをさします。
パートは主婦層、アルバイ トは学生 など若い層のイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?
美容室さんの場合、契約社員を雇うことは珍しいケースかもしれません。
上記で記載した3つの雇用の方法は、全て『雇用』です。
ですので、どの雇用の仕方でも勤務時間により、社会保険や雇用・労災保険の加入は必須になまりますのでご注意下さい。
新たな働き方の導入も1つの解決策
美容室経営をされる中で、スタッフさんが定着しない、早期退職等が繰り返される場合など、
契約社員という選択肢は理美容室の場合、選択されるケースは稀です。
業務委託契約やフリーランス契約といった、雇用より保障は少なくなる代わりに、多く稼ぐことができる。
そんな契約形態も美容業界ではもはや主流の1つになっています。
長く働ける環境は、社会保険完備で有給休暇もしっかりあるサロン、そういった環境が良いに決まっている!
そんな考え方はもしかしたら業界ニーズにはマッチしにくくなって来ているのかもしれません。
事実、業務委託サロンやシェアサロンは増加傾向にありますので、それを求める求職者も増加しているんですよね。
『人が集まらない・・・』
『定着しない・・・』
そんな悩みを抱えられているオーナーさんは非常に多く、1人でも多くの美容師さんに会うよう、色んな働き方を考えられています。
現在の求人状況では、新たな働き方の導入も場合によっては必要になってきていると感じます。
美容室個々によって、『何が良いか』『何が求められているか』をじっくり考察して、新たな仕組みを構築していく時期がきたのかもしれません。
スタッフのキャリアプランを考える
新たな働き方を考えることは、離職防止に直結することでもありますが、美容業界は古くから最終目標は「独立開業」という流れが続いています。
アシスタントからスタイリストになり、店長を経験する。
その先は?
仕事内容や職場環境は特に不満もないが、先を考えるとなんとなく不安になってしまう・・・。
その行き着くところが独立、もしくは転職先は異業種か美容師ではないメーカーやディーラーであったりします。
美容の仕事は好きだけど、なんとなく不安を感じてしまうのは、自分の未来が想像しにくい環境にあるからだと思うんです。
離職理由がなんとなくでは勿体ないですよね。
美容師免許を生かしたアイリストなどへの転職はまだいいですが、異業種に転職してしまう美容師も少なくないんです。
アシスタントからスタイリスト、店長になり、より稼げる業務委託が今のお店で選択できて、完全な独立もできるし社内での独立もできる。
主婦になっても家族ができても同じサロンで働ける。
自分のお店が持ちたいと思っても色々なカタチがあり、もちろん店長やマネージャーといった選択肢もある。
そういったサロンが、実現してきている事をご存知でしょうか?
雇用系サロン、委託系サロン、シェアサロンといった垣根があった時代から、その垣根がなくなっていく時代に突入してきているんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
求職者の要望が細分化している美容業界。
その要望に答えるカタチ造りを考えていかなければ、新たな雇用が生まれないとはいいませんが、厳しい状況を更に厳しくすることにはなるかもしれませんね。
こちらの記事では、なぜ業務委託という働き方が増えたのかをまとめています。
是非参考になさってください。