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美容室を開業する時の総資金の考え方

美容室を開業する時の総資金の考え方美容室の開業

実際に開業をお手伝いしていく中で必ず質問する事があります。
『開業資金、いくらで考えていますか?』

この質問をすると、様々な金額が出てきますが、
『○○○万くらいですかね?』という、ある程度具体的な回答を頂けます。
しかし、多くの方に感じるのは、その金額でほんとに開業できますか?という疑問です。

実際に独立をされた先輩オーナーや、ネット検索などでいくらでも調べる事ができる時代なので、調べた相場や情報、あながち間違いでは無いでしょう。
このサイト・記事もまさに情報源の1つです。

しかし実際に開業に向けて動いてみると、もう少し細かく試算してみると、予算的にショートしてしまう可能性や、資金不足を感じてくるかもしれません。

今回の記事は、総資金の考え方について詳しく書いていこうかと思います。

 

 

3つの予算の考え方

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 3つの予算の考え方まず、美容室開業の予算を考えるときの基準になる考え方を大きく3つに分けて考えてみます。
それぞれが正解で、間違いはないですが、メリット・デメリットがありますので、そこについて少し掘り下げていきます。

 

1.借りられるだけ借りて、余裕を持った資金でケチケチしない予算多めタイプ

独立開業での融資額を、MAXと言っていい金額をまずは借りてしまい、豊潤な予算をまずは確保し、余ったお金は運転資金に回すやり方です。

メリット

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 借りられるだけ借りて、余裕を持った資金でケチケチしない予算多めタイプ | メリット

メリットとしては、やりたいことを我慢しなくて済む可能性が高いです。
運転資金もある程度確保できるので、開業後の売上が思ったように伸びなくても、精神的なダメージはある程度軽減できるでしょう。
先行投資をしやすいので、設備補強や人員確保に早めに着手できます。

 

デメリット

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 借りられるだけ借りて、余裕を持った資金でケチケチしない予算多めタイプ | デメリット

デメリットとしては、MAX金額を借入してしまっているので、追加融資のハードルが極端に上がることです。
我慢しなくてもお金に余裕があるので、ついついやりたいことをやってしまい、結果開業予算が高くなってしまい、融資先を公庫・銀行と分散させる可能性があります。

 

2.できるだけ出費を少なくする為、居抜きや物件条件を絞りこむタイプ

美容室を開業する時の総資金の考え方 | できるだけ出費を少なくする為、居抜きや物件条件を絞りこむタイプ借入も極力少なく、できれば融資も受けないくらいで、予算を出来る限り絞り込む独立です。

メリット

美容室を開業する時の総資金の考え方 | できるだけ出費を少なくする為、居抜きや物件条件を絞りこむタイプ | メリット

メリットとしては、初期出費を抑える事ができる事です。
融資金額が下がるので資金調達のハードルが低いこと、内装費や美容器具を極端に抑えることが出来ることです。
うまく行けば通常の開業費の半分以下で開業も可能でしょう!

 

デメリット

美容室を開業する時の総資金の考え方 | できるだけ出費を少なくする為、居抜きや物件条件を絞りこむタイプ | デメリット

デメリットとしては、物件を絞り込む必要があるので開業時期を決められない場合があります。
予算が上がってしまった時に、運転資金を圧迫する可能性があるので、思ったようなサロン造り(内装や器具など)が出来ない可能性が高いくなります。

 

3.費用を算出し必要な融資額、自己資金額を算出するバランスタイプ

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 費用を算出し必要な融資額、自己資金額を算出するバランスタイプ物件や状況に合わせて、予算を考え、必要な金額を算出していくバランスタイプの独立です。

メリット

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 費用を算出し必要な融資額、自己資金額を算出するバランスタイプ | メリット

メリットとしては物件や場所などに幅広く対応可能です。
テナントを幅広く探すことができ、資金ショートや無駄な出費を抑える事ができます。
無駄な借入もしないので、返済のバランスも良いです◎

 

デメリット

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 費用を算出し必要な融資額、自己資金額を算出するバランスタイプ | デメリット

デメリットは、しっかり事業計画を立てておかないと、予期せぬ高額出費があった場合、対応仕切れない可能性があります。
内装など、やりたいことを我慢しなければならない可能性があります。

 

3案のまとめ

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 3案のまとめどれも結果論にはなってくるので、正解不正解はありません。
私自身、その独立に合わせてやり方、考え方を切り替えています。

独立のお手伝いをする時どれをメインに考えてお手伝いしているかというと、3のバランスタイプです。
1は融資金額をMAX引っ張るだけなんで、実はそんなに難しくないんですよねw
MAXの金額を算出して(自己資金と融資可能額)それに合わせて事業計画を作っていくだけなんで、ある意味楽ちんです(笑)

2はその予算内で独立開業する事を考えるだけなので、時間とタイミングだけが問題になってきます。
これまたそんなに技術や知識を要することではなかったりします。

出来るだけ絞り込んだ開業予算に当てはまる条件になるので、選択肢もそんなにないですからね。
”長期的に物件を待つ”そんなイメージです。

金額に違いはあれ、少なくとも数百万円~、上はキリがないですが1000万円単位で費用がかかるのが独立です。

そう考えると、いかに無駄なく、足りない事のない予算組みをするか考えて行くと、圧倒的に 3のバランス良く予算組みをし、融資や事業の計画を立てていく独立が多いです。

多方向からみてもメリットが多いですからね♪

 

運転資金を考える

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 運転資金を考えるでは実際にどれくらいの予算がかかるのか?
その辺りを試算してみたいと思います。

全体的な試算をする前に、これについて書いておこうかと思います。
「運転資金って、どれくらいあればいいの?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

色々な考え方もあるかと思いますが、私は割としっかり確保したい派です。
運転資金に余裕があると精神的にも安心出来ますし、万が一売上に伸び悩んだとしても、これがあれば先手を打って対策できます。

 

最低必要な運転資金

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 最低必要な運転資金まずは基本になるのが金額です。
最低ラインとして「家賃」「人件費」「返済額」のそれぞれ3ヶ月分は最低取っておきましょう。
家賃20万、人件費20万、返済10万とするのであれば、合計50万×3ヶ月=150万が運転資金になります。

開業して、売上が月間で0なんて事はまずありません。
万が一そんなお店があったら、すぐに廃業した方が幸せかもしれませんよね。。。
なので、売上も計算すると、これくらいあれば資金ショートする事はないでしょう。

ただし、ある程度の売上見込みが立っているのであれば。です。
今の顧客を新店舗に連れて行って良い環境にあり、尚且つ現実的であればです。

極端に言えば、今勤めているサロンの近所にオープンできて、今のオーナーから許可を得てお客様に独立をお話しする機会があり、現状売上をしっかり上げている方であればこれで充分だと思います。

ただ、上記のような条件で独立できる方は多くないのが現実です。
今いるサロンから離れれば離れるほど、お客様への告知が出来なければできないほど、運転資金は多く必要になるでしょう。
その場合、200万〜300万の運転資金があれば、ある程度安心できるでしょうね。

 

1つ厳しい話をすると、あなたのファンだと思っているお客様は、お店のファンでもあるんですよね。
自分の見込みよりも、確実について来てくれるお客様は少ないと思って運転資金は多めに確保しましょう!

 

開業予算を試算する

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 開業予算を試算するでは実際に開業予算を立てていこうと思います。

物件・不動産取得費

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 物件・不動産取得費

  • 家賃:15万
  • 保証金:6ヶ月
  • 礼金:2ヶ月
  • 仲介手数料:1ヶ月

と仮定すると、前家賃1ヶ月分を含めて15万の10ヶ月分=150万が不動産取得費になります。

この物件で動くのであれば、交渉によって多少金額は下がる可能性はありますが、浮いたお金は運転資金や他へ回せますから、細かいことは考えませんw

 

運転資金

計算方法は先程書いた通りです。

  • 家賃:15万
  • 人件費:20万(スタッフ1人)
  • 返済:8,5万(1000万借入、10年返済と仮定)

これらの3ヶ月分とすると、15万+20万+8,5万=43,5万✕3ヶ月=130,5万になります。
切りの良いところで130万で計算していきますね。

 

美容器具

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 美容器具

  • セット面  4台(椅子1台5万)
  • シャンプー台  2台(ユメ一台70万)
  • デジパー器具  1台(20万)
  • ミスト  1台(40万)

と仮定すると、合計220万になります。
これも実際には上下しますが、ここではこの金額で計算していきます。

 

美容商材・水物

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 美容商材・水物これは使いたい商材や小物によっても金額は上下しますが、ここでは50万円確保しておきましょう!

 

宣伝広告費

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 宣伝広告費

  • ホームページ作成  20万
  • 各種印刷・ロゴ  10万
  • ホット◯ッパー  10万
  • 求人広告費  10万

と仮定すると合計50万円です。
それぞれ依頼先によって金額は変わって来ますので、この辺りは予算採りなイメージです。

 

合算

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 合算あとは雑品から小物、家具家電を含めて50万の予算取りをします。
ここまでを計算すると

  • 不動産取得費・・・150万
  • 運転資金・・・130万
  • 美容器具・・・220万
  • 水物商材・・・50万
  • 広告・・・50万
  • 雑品小物・・・50万

合計650万円になります。
ここに入っていないのは内装です。
内装の金額は業者によってまちまちですし、広さによっても費用が変わってきますので、ここでは細かい話は省きます。

話を戻して、例えば自己資金が300万であれば総予算1300万(借入は1000万の場合)ですので、1300万−650万=650万まで内装費に回すことが出来ます。
自己資金が500万であれば、850万まで内装費をかける事が出来ます。

残額をすべて内装にかけるのではなく、その範囲内で内装費を収める事ができれば、資金不足に悩まされる事もなくなるでしょう。
こういった感じで最後に内装費を考えると、バランスの良い、多すぎず少なすぎない開業予算組ができるんです。

ここでは運転資金を少なめに組んでいますが、実際の開業ではもう少し取っておきたい所でもあるので、そういった場合は先に運転資金を確保し、同じように計算していけば考えている予算で開業できるのか、ある程度予測が立つのではないかと思います。

 

番外編:リースについて

美容室を開業する時の総資金の考え方 | 番外編:リースについて応用として、資金が足りなくなりそうであれば、美容器具をリースにして、現金を残し、内装費や運転資金に回すことも可能です。

単純に借入金額を1200万に増やすことも出来ますが、返済とリースの大きな違いがあるのと、融資額1000万以内でできれば収めたい理由があるんです。

単純に資金不足がわかっているようであれば、勿論1000万を超える融資を受ける必要もあるのですが、融資枠を増やす資格を持った税理士を雇ったり(メリットはあまり無いと思っています)担保になる土地を提供しなければいけなかったり、開業後の万が一の時の追加融資が難しくなったり、ハードルが上がるうえにデメリットも多くなってきてしまうんです。

かと言って単純になんでもリースにしてしまうと、月々のランニングコストが上がってしまい、経営をしていく上でボディーブローのようにダメージを負う事になるのでご注意ください!

 

リースとは?

美容室を開業する時の総資金の考え方 | リースとは?リースの特徴を少し書いておくと、メリットとしては月々の金額は経費になるので、現金を手元に残すことが出来ます。
(借入の返済は経費ではない)

逆にデメリットとしては、総支払額は買い取りより増える、リース終了後はその物自体の所有者はリース会社にあるので、再リース契約をするか買い取るかの費用が別途かかってきます。

要するに、リース会社が代わりに機材を買い取ってくれて、それをレンタルするイメージです。
なので買い取る方がいいのか、リースの方がいいのかはケース・バイ・ケースで、その場面場面で選択していく事になります。

お金に余裕があるのであれば、買ったほうがいいのかな?というのが私個人の意見です。
追記をすると将来、買い替え可能な機材のローラーやセットイスはリース、ボイラーやシャンプー台などの替える見込みの薄い物は買い取りと、使い分けてもいいかと思ってます。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

少し厳しい目線で書かせていただくと、最近予算をできるだけ少なく開業されている方を多くお見かけします。
私自身が費用を出すわけではないので余計なお世話かもしれませんが、全国の美容師室の軒数は20万件を超えています。

出店される予定の駅にはいったい何軒の美容室がありますか?
駅から出店予定のテナントまで、いったい何軒のサロンがありますか?

消費者の目線で考えると、美容室を探すとき、普段通っている道にある何件もの美容室の中から、ここだ!と選んでいただくきっかけの1つに、内装や外装もあるのではないでしょうか?

上記にもありますが、自分が選ばれると思っていた方が、1つ駅が離れれば、通うのが億劫になる事もしっかり考えると、運転資金もしっかり確保が必要ですよね。

居抜き物件が増えている現状が物語っているように、キレイな居抜きが増えれば増えるほど廃業しているサロンが増えているって事です。
(もちろん全てではないです)

色々なところに書いてありますが、開業はゴールではなく事業主としてのスタートです。
人生で一番多くの時間を過ごす空間になると思うんです。
開業したあとに『ああしておけば・・・もっと考えていれば・・・』など後悔しないよう、しっかり予算や事業計画を立てて行きましょう!

 

こちらの記事では、資金不足の時に使える方法をまとめています。
リースも資金不足時に使える手段その1つでもあります。
是非参考にしてみてください。

美容室開業の資金不足を助ける3つの方法
美容室をオープンするにあたって、多くの方は数年前から自己資金を貯め、事前準備をある程度整えてから開業をされる方がほとんどです。 しっかり準備をしていても、思っていたより開業資金がかかってしまったり、総予算に対しての見積もりが甘かったりした場合、自己資金と融資額だけではどうしても予算が足りないケースがあります。

 

 

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