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美容室は本当に閉店(廃業)しているのか?

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか?美容室の開業

美容室の閉店は多いと感じでいますか?
一般的なデータとして、開業して1年未満で廃業する事業は約4割、10年事業を続けられる率は1割程度と言われています。

実際に自分の生活圏、身近なエリアで考えてみると確かにテナントの入れ替わりや、いつのまにかなくなっているお店も多々ありますので、データで出ている以上は廃業している率はそれくらいなのかもしれません。
しかしそれは、あくまで一般的なデータとして出ている数字です。

実際の所、美容室の廃業はどの程度起こり得るのでしょうか?
これから開業する方は、そういった部分も気になっているのではないでしょうか?

データとして出ているわけではないですが、その辺りを深堀りしていきたいと思っています。

 

美容室は潰れるのか?

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | 美容室は潰れるのか?みなさんはどう感じているでしょう?
身近でできたばかりの美容室、数年以内に潰れてしまっているサロンってありますか?

他店舗展開をしているような美容室が数店舗閉店するという話はちらほらありますが、結論からいうと一般的なデータは当てにならない。
美容室は言うほど潰れていないと思っています。

それどころか、まだまだ新規開業のペースは下がっておらず、テナントが空いて、次は何が出来るのか気になっていたら、美容室だったという事が多いのではないでしょうか?

もちろん誰でも簡単に独立して店舗を構えて、誰もが成功するというわけではありませんが、少なくとも弊社でお手伝いしているサロンで、廃業したサロンは無いんです。

 

なぜ美容室は潰れないのか?

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | なぜ美容室は潰れないのか?美容室が潰れない要因はいくつかあります。

他業種と美容室は何が違うのか?
なぜこれだけ数があるにも関わらず、まだまだ開業して経営が成り立っているのか?

そこを紐解いていきたいと思います。

 

美容師免許が必須

その1つは、国家資格が必要な業種であること。

異業種からの参入もありますが、美容室のほとんどが美容師から経営者になっているケースが殆どで、規模感さえ間違えなければ最悪オーナー1人でもサロンを運営していく事ができる。

更に国家資格が必要な業種なので、単純に儲かりそうという理由で他から参入することが難しい、ある程度守られた業種であることが潰れにくい理由の1つになります。
ある程度の知識があって、実務経験があれば開業できる他業種と違い、資格が必要な業種というのはやはり強みになってきます。

その反面、慢性的な求人難に陥っていますが、人が欲しいという状態は考え方によっては経営が上手くいっていて、事業を拡大したい状態になっているという事でもありますので、経営が苦しいというわけではないんですよね。

 

原価率が低い

原価とは、ざっくり言うと売上を上げるための必要な仕入れのことです。

例えば飲食店の場合、お酒や飲み物、食材などを仕入れて調理し、お客様に提供するわけですが、その仕入れは売上に対して30%〜50%になってきます。

100万円の売上があったとしたら、少なくとも30万円の仕入れがあるわけです。

では、美容室の場合はどうでしょう?
多くても10%の仕入れ、一般的には7%くらいが適正と言われているんです。
同じ100万円の売上でも、飲食店と比べると20万円の利益が多く入ってくると考えると、美容室は利益が出やすい業種と考えられるでしょう。

さらに、美容室のメインメニューのカット。これだけで考えると原価はほぼ0に近いですよね。
国家資格を取得し、技術を身に付けた結果でもあるので、簡単なことではありませんが、原価率の低い恵まれた業種といえるのではないでしょうか。

 

対象になる客層の広さ

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | 対象になる客層の広さ美容室は生活必需業種ではありません。
逆に、贅沢というカテゴリーに分類されるかもしれませんね。
しかし、ほぼ全ての人が髪を切るために理美容室を利用しています。
こういった業種も中々珍しいのではないでしょうか?

クリーニング店であれば、ビジネスマンやスーツを着用しているような方は多く利用するかもしれませんが、美容師のみなさんはそう利用しないのではないでしょうか?

ネイルやマツエクも、男性(今では一部利用されています)の多くは未経験のはず。
趣味の分野になると、一部の固定客は利用しますが、その対象客はかなり絞られていくはずです。

しかし、理美容室となると老若男女、場合によっては幼児もお客様。本当に幅が広いんです。
更に髪は放っておいても伸びて来るので、頻度はそれぞれですが、年に数回は必ず利用されて、見た目も大きく変えることができる素敵な業種なんですよね。

 

1人に1人の美容師

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | 1人に1人の美容師基本的にですが、1人に対して1人の美容師が担当(専属的に)する仕事です。
最近ではカラーはどこ、カットはどこと使い分けている人も増えているようですが、基本的には1人に1人と担当者が決まってくるわけです。

決まったブランドが好きという人でも、おそらく上下、インナーもアウターも全て同じブランドというスタイルは珍しいですし、そこの洋服しか持っていないという人も稀ですよね。

外食するにしても、洋食ならあそこ、和食ならあそこと、行きつけはあったとしても、その日の気分で何を食べるか決めて、同じ店にしか行かないというスタンスの方は少ないはず。

しかし美容室の場合、一度行き始めて気に入って貰えれば、美容室に行きたくなれば再来してくれて、今日は気分転換に他の美容室に行ってみようかな?は起こらない。

顧客という考え方ができる業種は、実はそんなに多くない気がします。

 

潰れてしまう美容室

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | 潰れてしまう美容室とはいえ、美容室も閉店することがあります。
上記のように、潰れにくい業種ではありますが、やり方を間違ってしまえば潰れてしまうでしょう。

独立される方は、少なくともある一定の顧客数を持っていて、売上を上げた経験があって独立しているはずです。それでも経営が苦しくなってしまう原因はどこにあるのでしょう?

 

多額な借入

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | 多額な借入安易な計画を立ててしまい、多額な借入があったとすれば、経営を圧迫してしまうでしょう。

仮に2000万円の借入があった場合、10年で返済すると月の返済額は利息込みで約20万円になります。
スタッフの宛もないまま、大きいテナントで出店をしてしまい、更に出店費用がかさんでしまい運転資金が無い。
そんな状態になってしまうと苦しくなるでしょう。

年間の返済は約240万円、利息は経費計上できますが、返済元金は経費ではないので、税金がかかってきます。
これくらいの返済ではおそらく大丈夫だと思いますが、利益が出ているにも関わらず閉店に追い込まれてしまう、いわゆる黒字倒産というケースがあります。

 

売上が上がらない

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | 売上が上がらない現実的に多いのはこちらでしょう、思ったように売上が伸びず利益がでない。
もしくは、売上が下がっていき損益分岐を割ってしまう。

厳しい言い方になってしまいますが、この場合は経営者の怠慢でしょう。
元々売上をもっていたから独立しているはずなのに、売上が上がらないというのはよっぽどやり方を間違えたか、経営者がサボっているかのどちらかだと思っています。

私が美容ディーラーだった頃、天然素材に振り切っていたサロンがあり、口論になってしまったことがあります。
アルカリカラーを提案した所、そんな髪に悪いものを俺に使えって言うのか?とお叱りをいただきました。

こだわりを持つことはとっても大事です。
それがサロンの特徴になり、売りになれば最高ですよね。
しかし、それはお客様から支持を得られるものでなければいけないし、経営者のエゴであってはならないはずです。
結界、そのサロンは数年で閉店し、他のサロンがそこで経営しています。

これはレアなケースですので、あくまで事例として書かせていただきましたが、これだけ沢山ある美容室、お客様は選択肢が沢山ある状態です。
継続的な支持を得て、顧客として来店し続けていただける努力は、常にしていかなければいけませんよね。

 

戦略的撤退ができない

美容室は本当に閉店(廃業)しているのか? | 戦略的撤退ができない経営をしていれば、コロナのような想定外も起こってくるでしょう。
そういった場合に、戦略的な撤退ができるかどうか?

売上が下がり、利益が減少しているのであれば、経営者の所得を下げるべきですよね。
しかし、一度上がった生活水準を下げるという事をためらってしまうケースがあります。

一時とはいえ、所得が下がるのは嫌ですよね。とはいえ現金が無いので、借入をしてしまう、そんな経営者も少なくありません。
使わずに、万が一の為の借入は賛成ですが、所得をカバーするための借入は反対です。

将来は返さなければいけないお金、本来は無くていい借金を簡単に増やしてしまう行動は、経営者としては軽率だと考えます。

スタッフの給与や家賃支払いのためにであれば致し方ありませんが、自分自身のためにこういった行動をとってしまうと、将来サロンがなくなってしまうかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

美容室が潰れてしまう事はもちろんあるでしょう。
しかし、きちんと誠実な経営をしているのであれば、多くの美容室は5年・10年と、それ以上継続していける業種です。

経営をしていく上で、時にはチャレンジも必要ですし、勇気ある判断をしなければいけない場面もあるでしょう。
経営はギャンブルではありません。
美容室経営は、簡単ではありませんがしっかりとした技術や接客があれば、数年で潰れてしまうリスクは極端に少ないと言えるでしょう。

きちんとした計画のもと想定外に備えておけば、企業として成長していける業種だということです!

 

こちらの記事では、店舗展開する時の悩みや、出店の理由についてまとめています。
是非参考になさってください。

美容室の出店理由と店舗展開する時の悩み
現在の店舗以外に新しく店舗展開を考えておられますか? 現在2店舗の美容室を展開し、これから3店舗目の出店を視野に入れて動いている美容室オーナーさんと先日お話しさせて頂きました。 その中で、2店舗目の出店の時に考えたこと、悩んだことをお聞きすることが出来ました。 店舗展開する上での考え、悩みについてご紹介させて頂きます。

 

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